ERP/基幹系システムリプレイスを帳票システムの整理・統合の機会に
~リプレイスプロジェクトの思わぬ足かせ 統合帳票基盤はなぜ必要か~
ERP/基幹系システムリプレイスを
帳票システムの整理・統合の機会に
~リプレイスプロジェクトの思わぬ足かせ
統合帳票基盤はなぜ必要か~
日本企業でITを担当したことがある方であれば、誰もが「基幹系情報システムのリプレイスには苦労がつきもの」という印象を抱いていることでしょう。
リプレイスのたびに長期間に亘って多大な工数を費やしているうちに、ビジネス環境の変化に後れを取ってしまったり、目論んでいた運用コストの削減効果が出なかったりといった大小の失敗事例は、枚挙にいとまがありません。
その原因としては、ERPの本来のコンセプトである「全体最適を目指すシステム導入」ではなく、ERPパッケージの一部だけを導入して、様々なシステムを個別に使い続けるといった日本企業に多く見られるカルチャーが挙げられます。 また、度重なるカスタマイズや企業合併により、システムがスパゲッティ化し複雑な構造となっていることも大きな原因の一つです。
戦略的な帳票基盤の構築が必要不可欠な時代へ
その「複雑なシステム」の中でも、特にリプレイスの足を引っ張るのが「帳票システム」です。というのも、帳票システムは各業務/システムごとに個別最適化されていることが多く、リプレイスにあたっては、業務/システムごとに帳票システムの作り込みが必要になるからです。
現実問題、個別の開発をともなう複雑な帳票システム群の移行作業は、メインとなる業務システムの移行作業よりも工数やコストがかかることも珍しくありません。 帳票はシステムにおける最終アウトプットですが、そこに表示するデータ処理の作り込みが優先され、帳票開発はリソース的にも予算的にも後回しにされがちです。 そして、そのしわ寄せは結果的にプロジェクトの混乱を招き、リプレイスの長期化や停滞につながるわけです。
日常的に触れる機会が多く「最終アウトプット」としてビジネスの状況把握に最も重要なものである「帳票」関連の検討を後工程に回していては、環境の変化に適応することはできません。
特に、最近は「コスト削減」や「働き方改革」等によるペーパーレス化の推進や、電子商取引の拡大をはじめとする商習慣の変化、「電子帳簿保存法」の改正などによる文書の電子保存対象の拡大を背景に、帳票を電子データとして取り扱う流れが加速しています。 さらに、帳票に含まれる個人情報の保護、情報漏えい対策など、内部統制の強化も欠かせません。 今後も次々と起こる経営環境の変化や制度改革に柔軟に対応できるIT環境を整備しておく必要があります。今、企業に求められているのは、後手に回った「ついでの」帳票システムの刷新から、「戦略的な帳票基盤の構築」への転換なのです。
基幹系システムリプレイスの機会を、全社的に帳票システムを整理・統合する機会に
ERPなど基幹系システムの刷新を計画する時は、全社的なIT統制の方針を見直す機会でもあります。連携するあらゆる業務システムについても検討のため俎上に載せられることでしょう。 その俎上に帳票関連システムも載せて、全体でどれほどの帳票関連システムが稼働していて、その開発・管理・運用にどれだけのコストや労力がかかっているかを一度把握する事をお勧めします。
そこには、スパゲッティ化した業務システムそれぞれに連携する形で、更に「帳票フォームを作成する」「請求書を印刷する」「電子化された帳票を保管する」「拠点への帳票配信を管理する」など部門別、目的別に個別業務改善を目的とした多くの帳票関連システムが、その時々の考えで導入され、結果的にそれぞれに保守運用コストがかかり、管理が煩雑になっていないでしょうか。
これらが全体的なIT統制を複雑化させ、基幹系システムリプレイスの足かせになるだけでなく、今後の柔軟なシステム変更の阻害要因とならないよう、統一的な次世代帳票基盤への統合を検討する必要があります。
意外にも、隗より始めることがスムーズな基幹系システムリプレイスの近道ではないでしょうか。
帳票基盤構築のベストプラクティス「Paples(パピレス)」
こうした課題の解決方法の一つとなるのが、次世代型帳票基盤ソリューション「Paples(パピレス)」です。Paples は、様々なシステムとシームレスに連携し、帳票に関わるすべての業務をカバーするオールインワンパッケージです。 作成・デザインから印刷、保管・運用、廃棄までのライフサイクルを一元的に管理することで、業務や運用管理の効率化が図れます。
また、日本独特のこだわりの強い帳票文化から、システムごとに個別最適化し密結合されていることが多い帳票システムを、Paplesに疎結合の状態で連携し、統合し帳票基盤として一元管理できます。 これは、開発コストの削減はもちろん、上位の業務システムが変化しても帳票基盤に手を入れる必要がないため管理コストの削減効果も期待できます。
さらに、『従来は紙で郵送していた請求書を、PDFのデータ配信に変更する』といった環境の変化にも、追加開発はほとんど不要。 Paplesの設定変更で迅速に対応が可能です。
様々な帳票データ移行やマイグレーションに対応
他社製の帳票ツールで作成された帳票データについては、帳票デザイン機能「PaplesReports」を利用して帳票レイアウトを再現したうえで、CSV・DB連携機能を用いてデータを取り込むことができます。
また、各種ERPやオープン系業務システムで作成した帳票データは、仮想プリンタ「Paples ドライバ」を介して取り込むことができます。 また、オフコン・メインフレームからは、専用コネクタを用いてマイグレーションすることができるなど、スムーズな連携を実現しています。
ITトレーサビリティを強化
Paplesは、保管している帳票データについて「誰がいつどの帳票にアクセスしたのか」という監査証跡を取得しています。 検索条件からアクセス履歴、印刷の有無まで、すべて確認できるようになっており、内部不正による情報漏えいを抑止しながら、安全に帳票データを活用することができます。
ワンストップサービスによるTCO削減効果を試算
従来では、業務システムごとに異なる帳票システムに対し、複数のベンダーから保守サポートを受けるため「コストがかさむ」、「トラブル発生時の原因切り分けが困難」といった問題がありました。 一方、帳票ライフサイクル全体をオールインワンでカバーしている Paples の場合は、NHSがワンストップで保守サポートに対応するため、運用コストを大幅に削減できます。
実際、帳票作成/電子保存/印刷管理とそれぞれにサーバを稼働させ、出力プリンタにも制約があり、帳票関連システム全体のランニングコストが中々削減できなかったお客様が、 Paples に統合することで6分の1にまで低減したケースもあります。
NHSでは、「ペーパーレス化」や「法令対応」といった課題や現行帳票システムの問題点を洗い出したうえで、こうしたコストの試算や費用対効果を算出するコンサルティング・サービスも実施しています。 さらに、経営層への上申用の試算表の提供、社内プレゼンへの同席など、導入検討から構築、本番稼働までのフルサポートが可能です。
代表的な導入事例
大手通信関連企業
Paples 導入によって、複数製品で構成されていた既存の帳票システムを上位システムを改修することなく、新しい環境にリプレイス。
帳票作成、帳票保存、帳票参照、帳票出力、印刷管理、PDF配信の6つの帳票関連システムを1つに統合し、統合帳票基盤を構築することで、サーバ台数の大幅削減、保守負荷の軽減、ランニングコスト低減を実現しました。
第一屋製パン株式会社様
5つの生産拠点で分散稼働するメインフレームの統合に伴い、データ移行を行うマイグレーションプロジェクトを支える帳票基盤として、Paplesを採用。 各メインフレームで管理していた帳票を Paples に集約するとともに、帳票開発についても全て Paples 上で統一的に行えるようにしました。
これにより、帳票開発のために利用してきた COBOL や Excel、Access など、多岐に亘っていたスキル教育やマニュアルを Paples の設計ツールに一本化することができ、技術者の確保や教育といった観点でも、コスト削減のメリットが生まれています。