SAPプロフェッショナルコラム
連載-2
AI活用の進化曲線 ― 現場・全社・経営をつなぐSAPユーザのAI
【第1回】SAP業務に寄り添うAI
NHS独自ソリューションで“動くAI”へ
SAP S/4HANA化によって、企業は業務の標準化とデータ基盤を手に入れました。
次に求められるのはそのデータを使い、事業の競争力へ転換すること。しかし現実には、多くの企業がこうした壁に直面しています。
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●AIはPoCで止まり本番まで到達しない
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●効果が「局所的」で全社最適につながらない
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●経営に戦略的な示唆が届かない
そこで必要となる視点がAI活用の"進化曲線"です。
現場 → 全社 → 経営
AIは段階を踏んで広がり、価値を最大化する
前回「SAP S/4HANA化後の次を創る」で、「AIをどう業務に組み込むか」という“現場で動くAI”を中心に紹介してきました。
そして今回、シーズン2としてSAPユーザ企業がたどる3つのステージをわかりやすく解説します。
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1現場で動くAI ― 日常業務に自然に溶け込むAI
2企業をつなぐAI ― 部門やシステムを越えた全社最適
3意思決定を支えるAI ― 経営判断の質を高めるAI
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1現場で動くAI ― 日常業務に自然に溶け込むAI
「AI導入」と聞くと、少し身構える方も多いのではないでしょうか。
コンサルタントが並ぶ会議室でAI戦略の話が始まり、PoC(概念実証)プロジェクトが立ち上がり、半年後に"実験のまま終わる"。そんな光景を見てきた方も少なくありません。
一方で、SAPユーザ企業の情報システム部門からは、こんな声をよく聞きます。
「現場で動くAIって、実際どう作ればいいのか?」
その答えの一つが、「既存機能にAIを組み込む」というアプローチです。
現場業務の”すぐそば”で動くAI
NHSは、SAPシステムの特定機能をAIで進化させることに注力しています。ゼロからAIを導入するのではなく、現場業務に寄り添うように機能拡張していく。だからこそ、導入もスムーズで、"現場で動くAI"がすぐに実感できます。
たとえばワークフロー領域のAIアシスト機能承認依頼メールやSAP Fiori通知が大量に届く中で、AIが過去の承認履歴や取引額、取引先特性を分析し、「優先度の高い承認」から順に自動で整理表示。現場の「重要な依頼を見逃した」リスクを軽減します。
こうしたAIは、派手なダッシュボードを掲げる"見せるためのAI"ではありません。
むしろ、SAPシステムの画面の中で静かに動き、
「気づけば業務が少しラクになっている」
そんな自然なAIの形を目指しています。
NHSが描く、"PoCの先"にあるAI導入
多くの企業がAI導入をPoC(概念実証)から始めますが、NHSは「動かすところから始めるAI」を重視しています。
まずSAPシステムの一部にAIを組み込み、実際の業務で効果を早期に確認・改善する。そのうえで、SAP BTPや外部AIとの連携による拡張を見据える。AI導入のゴールは「モデル精度の向上」ではなく、「現場でAIが使われ続けること」。
SAPユーザがAIを「感じさせない形」で活用するそれが、NHSが考える“次のスタンダード”です。
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- 次回:「SAP BTP×外部AIで“企業をつなぐAI”へ」
- “個別最適”から“全体最適”へ。AIが企業知を結び直す。
連載-2
